理事長挨拶

渡辺理事長の写真

私がウェブアクセシビリティに関わったのは、JIS X 8341-3:2004の策定時でした。その後、W3CのWCAGワーキンググループに参加し、早朝のテレコンや米国で開催されるface-to-face meetingなどに参加しながら、日本語で顕著なアクセシビリティ問題を当時WCAGワーキンググループで策定中のWCAG 2.0草案に取り込むことに尽力しました。それと並行して国内では、その後JIS X 8341-3:2010となる規格の策定ワーキンググループの主査を務めました。関係者のご協力の結果、2010年には国内で初めて、世界標準のWCAG 2.0と同じ達成基準を持つ国内規格を定めることに成功しました。その後、JIS X 8341-3:2010を支える組織として、CIAJの下にウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)を設置し、初代委員長を務めました。

その後は、研究者としてウェブアクセシビリティの研究に取り組むことに注力し、特に情報デザインの枠組の中にアクセシビリティを自然に取り組む研究に取り組んできました。最近は米国を中心にインクルーシブデザインという言葉がはやっているように、当事者参加型デザインに注目が集まっています。情報デザインの骨格をなす人間中心デザインを念頭に、当事者である障害者やJIS規格を満たしたサイトを構築する必要がある公共サイトの担当者のニーズをとらえた活動を、皆様の協力を得ながら、ウェブアクセシビリティ推進協会で進めていきたいと考えています。

前任の山田先生の後を継いで2017年度から理事長という大役を担うことになりましたが、全力では任務を果たしてまいります。皆さまのご支援とご参加を心よりお待ちします。

アクセシビリティ推進協会理事長 渡辺 隆行

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