私たちはウェブアクセシビリティを推進します

毎日新聞社デジタルメディア局 ユニバーサロン編集長
岩下 恭士

ウェブアクセシビリティ推進協会の発足おめでとうございます。僕自身、全盲の視覚障害者ですが、ウェブやメールを音声で読み上げるスクリーンリーダーを使って、いつでもどこでもリアルタイムに文字情報にアクセスできるようになったおかげで、記者としてウェブ新聞に取材記事が書けるようになりました。点訳・音訳ボランティアの助けがなければ全く活字情報が利用できなかったネット以前の情報環境から考えると夢のような進歩です。しかしながら、ウェブ技術は日々進化し続けており、ある日突然、音声読み上げに対応しないグラフィカルなデザインに変わってとまどった体験も一度や2度ではありません。電子書籍や電子新聞が世界的に注目され始めた昨今、デジタルメディアのアクセシビリティがきちんと確保されることを切望いたします。

東洋大 教授
山田 肇

私が情報アクセシビリティの標準化に取り組み始めて早くも10年がたちましたが、最近ようやくアクセシビリティへの理解が高まりつつあると感じています。私は、ウェブが社会の基盤となった今、それが誰でもが利用できるようにすることは重要な社会的課題と考えています。この協会は、ウェブはすべての人にとって使いやすいものであるべき、という理念に賛同する利用者・制作者・提供者によって作られ、今後、アクセシビリティの高いウェブを広く普及するために活動を進めていきます。設立に賛同したみなさまに押されて理事長という大役を担うことになりましたが、全力では任務を果たしてまいります。皆さまのご支援とご参加を心よりお待ちします。

東京女子大 教授
渡辺 隆行

2008年度に改正原案が作成されたJIS X 8341-3は、早ければ2010年夏に公示される予定です。私は、WCAG 2.0を取り込んだ改正版JISがもつ特長をいかして、日本のウェブアクセシビリティをバージョンアップさせたいと願っており、改正版JISを支えるべく、2009年度からウェブアクセシビリティ作業部会の活動を開始しました。2010年度はさらに、この協会の理事として、より広い範囲の制作者や利用者を対象に、JISを基盤にしたウェブアクセシビリティ向上に取り組みたいと考えています。ウェブというメディアを活用したアクセシブルな情報社会の実現に向けて努力したいと思っていますので、皆様のご支援をお願いいたします。

札幌市 市民活動協働推進 担当課長
NPO法人 札幌チャレンジド 運営委員
加納 尚明

障害の有無に関らず全ての人が安心して暮らすことのできるユニバーサルな社会の実現が望まれます。インターネットは、障害のある人の生活を大きく変えました。今までできなかったことがたくさんできるようになりました。そして、ウェブアクセシビリティは、ユニバーサルな社会を実現するための重要な社会インフラの一つです。NPO法人ウェブアクセシビリティ推進協会が日本のウェブアクセシビリティの普及、向上に大きく貢献されることを期待しています。
協会設立、おめでとうございます。

特定非営利活動法人 ジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワーク 理事長
猪子 和幸

「明るい未来が拓けました。」
私達は、各自の障害特性に応じたICT利活用技術に習熟することで、情報格差を克服し、経済的・精神的に自立することを目指しています。Webアクセシビリティの浸透向上は、私達にとって、差し迫った要請であり、最も恩恵に与る受益者の団体として、先駆けて取り組むことが私たちの「使命」と自覚してきました。
ウエブアクセシビリティ推進協会の発足により、より一層アクセシビリティの診断・評価・修正業務を、チャレンジドテレワーカーの専門職にとの願いが叶えられることを、なによりも、嬉しく思います。