提携協力関係の構築事業
- 当協会では、「総合政策」実現のためのあらゆる関係者との協力・相互補完をおこなっております。
関係者として対象とする組織・人々- 法律・規制の制定(国会、内閣、政党、省庁、自治体)
- 自治体ガイドラインの作成(総務省「みんなの公共サイト」 )
- 標準の発行(日本工業規格JISおよびW3C/WAIC )
- 関連する技術資料の作成・普及、システム作り(情報通信アクセス協議会)
- 広くウェブの利用者・制作者・提供者
- これまでの活動状況を報告します。
「ICTアクセシビリティ確保部会」にJWACが参加
2018年12月25日
特定非営利活動法人ウェブアクセシビリティ推進協会
理事長 渡辺 隆行
(担当 山田 肇)
総務省と厚生労働省が共宰する「デジタル活用共生社会実現会議」の下に「ICTアクセシビリティ確保部会」が組織されました。
障害者・外国人なども含め多様な人々が共生する社会は、アクセシビリティが確保されて初めて実現します。情報社会化が進む現状に鑑み、この部会ではICTアクセシビリティの確保策について検討します。
ウェブアクセシビリティ推進協会(JWAC)からは山田 肇理事が参加し、両省の政策立案に協力することになりました。
デジタル共生共生社会実現会議URL:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/digital_utilization/index.html
「みんなの公共サイト運用モデル2015年度改定に関する研究会」にJWACが参加
2015年10月9日
特定非営利活動法人ウェブアクセシビリティ推進協会
理事長 山田 肇
総務省がアライド・ブレインズ株式会社に委託して、「みんなの公共サイト運用モデル2015年度改定に関する研究会」が組織されました。
2010年度版運用モデルの公開から5年が経ち、地方公共団体等のアクセシビリティ確保の取り組み状況に変化が起き、また、障害者差別解消法の施行を控えていることから、研究会が組織されたものです。
ウェブアクセシビリティ推進協会(JWAC)からは、山田 肇理事長と渡辺 隆行理事がこの研究会に参加し、改定作業に協力することになりました。
「東京都障害者計画・第4期東京都障害福祉計画」に対する意見
平成27年3月30日、東京都福祉保健局が実施するパブリックコメントに対して、ウェブアクセシビリティを推進する民間団体として意見を提出しました。
意見内容は、以下の通りです。
「東京都障害者計画・第4期東京都障害福祉計画」に対する意見
東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課 パブリックコメント担当 御中
特定非営利活動法人 ウェブアクセシビリティ推進協会
理事長 山田 肇
(担当:小高 公聡)
東京都渋谷区 情報通信関連
「東京都障害者計画・第4期東京都障害福祉計画」に対する意見を提出いたします。よろしくお願いいたします。
- 【意見】
- 今般の計画における「施策目標と取組」において、「バリアフリー社会の実現」及び「情報バリアフリーの推進」が言及されていることを歓迎する。
しかし、東京都公式ウェブサイトのアクセシビリティ対応、特にJIS規格の準拠に関して、計画内において全く触れられていない点は不十分であり、追記を求める。 - 【理由】
-
- 当計画の根拠法とされている障害者基本法、また、政府が平成25年度から平成29年度に講ずる施策として定められた第3次障害者基本計画において、地方公共団体における行政情報のバリアフリー化、取り分けウェブアクセシビリティの向上が明確に規定されている。
一方、総務省から発出された「みんなの公共サイト運用モデル」においては、平成27年3月末までにJIS規格の達成等級AAの準拠が求められているが、東京都公式サイトのアクセシビリティ対応は未だ途上の段階である。
特に、当計画の対象期間は、平成27年度から平成29年度と、上記政府の基本計画と期間が重複することもあり、当計画内での明記は必須と考える。 - 当計画に記載されているとおり、音声や文字、点字、手話、筆記など、多様な情報提供手段を整備することは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けても重要であるが、東京都公式ウェブサイトをアクセシビリティ対応することによって、様々な障害者に対し即時に情報が伝えられるようになり、情報バリアフリーの推進という観点からもより有効である。
- 当計画内に、「視覚障害者に、新聞等によって毎日流れる新しい情報を点字又は音声で早く提供することにより、社会参加を促進し、生活、文化の向上を図る。」という記載があるが、インターネットを利用する視覚障害者が増加している中、また点字を使用しない中途視覚障害者も増加している中、点字や音声に加えてウェブサイトのアクセシビリティ対応が即時の情報取得には有効である。
- 当計画の根拠法とされている障害者基本法、また、政府が平成25年度から平成29年度に講ずる施策として定められた第3次障害者基本計画において、地方公共団体における行政情報のバリアフリー化、取り分けウェブアクセシビリティの向上が明確に規定されている。
- 【参考】
-
- 障害者基本法第二十二条2
「国及び地方公共団体は、(中略)必要な情報が迅速かつ的確に伝えられるよう必要な施策を講ずるものとするほか、行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進に当たつては、障害者の利用の便宜が図られるよう特に配慮しなければならない。」 - 障害者基本計画(第3次) 6-(4)-1
「各府省において、障害者を含む全ての人の利用しやすさに配慮した行政情報の電子的提供の充実に取り組むとともに、地方公共団体等の公的機関におけるウェブアクセシビリティの向上等に向けた取組を促進する。」
- 障害者基本法第二十二条2
「障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)」に関する意見
平成26年12月19日 当協会は、内閣府の障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に対して、以下のように申し入れを行いました。
障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見
特定非営利活動法人 ウェブアクセシビリティ推進協会
理事長 山田 肇
- 基本方針(原案)が「情報アクセシビリティの向上」に言及していることを歓迎する。情報社会化が進む今、情報アクセシビリティは障害者の社会参加のために欠かせない要素であり、その向上に向けて政府が動くと明記したことは評価できる。
- 情報アクセシビリティについては、障害者差別解消法第五条(社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備)に基づくと解釈され、行政機関等についても努力義務にとどまっている。しかし、環境の整備が合理的配慮の必要性に大きく影響するため、できるかぎり環境を整備しておくことが後々の負担を軽減する。この観点から、情報アクセシビリティを行政機関等に対しては強く課すように、基本方針を強化することを要求する。
- ウェブは人々が情報を受発信する際のインタフェースとして多用されており、情報アクセシビリティの中でもウェブアクセシビリティは特に重要であり、実現すべき事項である。基本方針を閣議決定したのちには、これを具体的な施策に展開していくことになるが、その際には、ウェブアクセシビリティに言及し、これを確保するよう明記することを要求する。
東京都サイトのアクセシビリティ調査結果報告の打合せについて
当協会は、東京都サイト(28の局、本部等)のアクセシビリティ診断を行い、平成26年11月28日 その結果ともとに東京都と打合せを持ちました。
東京都サイトのアクセシビリティ調査結果
1.日時:
平成26年11月28日
2.場所:
東京都議会議事堂
3.参加者:
- JWAC 山田理事長、浅野メンバ、金子メンバ
- 東京都議会議員:音喜多駿議員、上田令子議員
- 東京都:行政改革課(2名)、システム評価担当(1名)
4.打合せ結果のまとめ:
- 1 本調査で指摘された各局個別の問題点については、修正するように、行政改革課から各局に連絡する。
- 2 東京都サイト全体の問題(サイト内検索など)については、統一基準に反映する。
- 3 セミナーの実施については、観光・防災など、どのような切り口から、どのような対象に訴えるのが適切か、行政改革課が検討する。
5.打合せに用いた資料
「政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン(案)」に対する意見
平成26年9月2日 当協会は、総務省の「政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン」に関するパブリップコメントに対して、理事長名で意見を提出しました。
意見内容は、以下の通りです。
政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン(案)に対する意見
2014年9月2日
特定非営利活動法人ウェブアクセシビリティ推進協会
理事長 山田 肇
1. 意見の趣旨
政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン(以下、新ガイドライン)の適用開始時に、電子政府ユーザビリティガイドライン(2009年(平成21年)7月1日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)は廃止されることになっている。
新ガイドラインでユーザビリティは言及されているが、電子政府ユーザビリティガイドラインで記述されていたアクセシビリティに関する規定が欠落しているという問題がある。
一方、電子政府ユーザビリティガイドラインの制定後に成立し、2016年に施行される障害者差別解消法は、第七条(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)において次のように規定する。
行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
よって、同法の施行後には、政府情報システムが、障害を理由として障害者を差別的に取扱うことは許されなくなる。それゆえ、今の段階から、新ガイドラインでアクセシビリティへの対応について強調しておくことが適切である。
2. 具体的提案
-
(a) 「第3編 ITマネジメント 第5章 要件定義」「a) ユーザビリティに関する事項」の後に、アクセシビリティについて次の記述を追加する。
x) アクセシビリティに関する事項
情報システムの各機能におけるアクセシビリティ(利用可能性)について、情報アクセシビリティに関する日本工業規格(JIS X8341シリーズ)等を参照の上、配慮すべき事項等を記載する。 -
(b) 「第3編 ITマネジメント 第7章 設計・開発」「6. 受入テストの実施」「2) 受入テスト」に次の記述を追加する。
アクセシビリティ要件を検証するときは、障害者等の利用者が受入テストを行うものとする。
-
(c) 「第3編 ITマネジメント 第8章 業務の運営と改善」「3. 日常運営における業務改善」「1) 管理すべき指標等の活用」の第一段落にすでに記載されている文章の後に、アクセシビリティについて記述を追加する。
すでに記載されている文章PJMOは、管理すべき指標等を活用し、定期的に業務の実態を分析するものとする。その中で、対応すべきリスク及び課題であると認識したものについては、その原因を分析し、費用対効果を踏まえて優先順位を付け、順次改善するものとする。
特に、対応すべきリスク及び課題のうち、アクセシビリティに関わるものについては、最優先で改善するものとする。
-
(d) 「別紙2 情報システムの経費区分」「(1) 整備経費」の中にアクセシビリティに関わる経費を次の通り分計し、明記する。
x) アクセシビリティ経費
開発する情報システムについて、情報アクセシビリティに関する日本工業規格(JIS X8341シリーズ)等に基づく試験等を実施し、アクセシビリティに対応するための経費
- 本件連絡先
- 住所:文京区白山5-28-20 東洋大学経済学部
山田 肇研究室気付
ウェブアクセシビリティ推進協会 - メールアドレス: yamada_h@toyo.jp
内閣府障害者政策委員会事務局に対する意見
平成26年7月31日、内閣府障害者政策委員会(*)事務局に対して、ウェブアクセシビリティを推進する民間団体として意見を提供しました。
(*)内閣府障害者政策委員会とは、、、
障害者基本法が平成23年8月に改正され、障害者基本計画の策定又は変更に当たって調査審議や意見具申を行うとともに、計画の実施状況について監視や勧告を行うための機関として、内閣府に設置されたものです。
意見内容は、以下の通りです。
障害者差別解消法に基づくウェブアクセシビリティの義務化について
2014年7月31日
特定非営利活動法人ウェブアクセシビリティ推進協会
理事長 山田 肇
1. ウェブアクセシビリティ推進協会(JWAC)について
JWACは、2010年4月に特定非営利活動法人として東京都に認証されて以来、日本のウェブアクセシビリティの品質レベルを維持・向上させていく事業やウェブアクセシビリティに関する普及啓発事業を実施してきた団体である。
JWACは個人会員と法人会員から構成され、法人正会員は特定非営利活動法人イー・エルダー、NTTラーニングシステムズ株式会社、日本電信電話株式会社等である。
2. JWACの主な活動について
- 総務省が2010年に改定した『みんなの公共サイト運用モデル』1を元に、2012年に、企業等の民間団体も活用可能な『みんなのウェブサイト運用モデル』を策定・公表した2。
- 『みんなの公共サイト運用モデル』を基準に、ウェブサイトでのアクセシビリティ方針の公開・アクセシビリティ対応等に関する調査を継続して実施し、結果を公表した。
- 2013年3月 47都道府県および12府省3
- 2013年6月 47都道府県および12府省4
- 2013年11月 東京都23区および人口上位7市5
- 2014年1月 仙台市に拠点を置く公共性の高い団体・組織30件6
- 2014年5月 東京都に本社/本部がある公共性の高い企業・団体32件7
この結果、『みんなの公共サイト運用モデル』を基準にアクセシビリティ方針を公開している組織はまだ少なく、メニューを読み飛ばし・キーボード操作・拡大テキスト表示といった基本的なアクセシビリティ項目についても対応が進んでいないことを明らかにした。
- これらの調査結果を中心に、セミナーを開催し、ウェブアクセシビリティの普及啓発を図ってきた。2013年度の開催実績は次のとおりである。
- 5月30日(東京) 「障害者基本計画と情報アクセシビリティの今後」
- 7月26日(大阪) 「ウェブアクセシビリティの実践」
- 11月21日(東京) 「東京都30自治体サイトにおけるアクセシビリティ調査結果報告」
- 3月4日(仙台) 「ウェブアクセシビリティの実践」
- 1 山田 肇は「みんなの公共サイト運営モデルの改定に関する研究会」の座長を務めた
- 2 「みんなのウェブサイト運用モデル」第1版の策定について
- 3 Webサイトへのアクセシビリティ方針公開についての調査報告
- 4 Webサイトへのアクセシビリティ方針公開についての第2回調査報告
- 5 東京都30自治体Webサイトのアクセシビリティ対応調査報告
- 6 仙台のWebサイトアクセシビリティ対応調査報告
- 7 東京都の公共性の高い企業・団体のWebサイトアクセシビリティ対応調査報告
3. 障害者差別解消法に基づくウェブアクセシビリティの義務化について
公共団体については、総務省が定めた『みんなの公共サイト運用モデル』を基準に、ウェブアクセシビリティを義務化すべきである。
『みんなの公共サイト運用モデル』では、期限と達成等級の目安について次のように記述されている8。しかしながら、JWACの調査では、この期限と達成等級の目安を満たす公共団体は少ない。これは、『みんなの公共サイト運用モデル』に強制力がなかったためであり、障害者差別解消法に基づく規制(方針)が緩かった場合には、同様に対応せず放置される恐れがある。
- 既に提供しているホームページ等
2012年度末まで「ウェブアクセシビリティ方針」策定・公開
2013年度末までJIS X 8341-3:2010 の等級Aに準拠(試験結果の公開)
2014年度末までJIS X 8341-3:2010 の等級AAに準拠(試験結果の公開) - ホームページ等を新規構築する場合
構築前に「ウェブアクセシビリティ方針」策定
構築時にJIS X 8341-3:2010 の等級AAに準拠(試験結果の公開)
一方、民間団体に対しては、『みんなのウェブサイト運用モデル』は「各企業等の事情を踏まえて期限と達成等級を検討し、できるだけ速やかに対応してください。」と緩やかな表現としているが、これは障害者差別解消法の制定前にモデルを作成したからである。障害者差別解消法の施行とともに、民間団体についても、公共団体に対する規制(方針)を準用することが望ましい。
なお、多くの地方公共団体で障害者差別解消条例の制定が進行中である。これらの条例でウェブアクセシビリティへの対応がまちまちとならないように、障害者政策委員会が早急に方針を公表するよう要望する。
4. その他参考とすべきことについて
山田 肇理事長は、東洋大学経済学部教授として、国際社会経済研究所の遊間和子氏と連名で論文『ウェブアクセシビリティ義務化は合理的な政策か』を国際公共経済学会に投稿し、このほど、受理された。刊行は2014年9月末の見込みである。論文の要旨は次のとおりである。
行政機関等が提供するウェブのアクセシビリティについて、各国で義務化が進んでいる。ウェブが人々の情報伝達の基盤として利用されている今、ウェブを利用できない人々の数を減らし、ネット親和性がより高い社会の創造を追求する政策である。
この論文では、各国における義務化の状況と訴訟例などを調査した。そして、障害者の人権を守る法制度の中でウェブアクセシビリティが扱われていることを明らかにした。
ウェブアクセシビリティを実現する費用よりも、得られる社会全体の利益が大きいと考えられているから、ウェブアクセシビリティは多くの国々で義務化されている。この論文は、わが国すべての行政機関等が対応する総費用は100億円前後であると推計した。障害者の雇用率が0.1%向上すれば費用対効果を達成でき、義務化政策は合理的である。それゆえ、行政機関等が提供するウェブは、障害者差別解消法第七条第1項に基づいて、アクセシビリティを義務化すべきである。